Founderを利用して200万円の資金調達に成功!VR制作事業で日本のエンタメを世界へ発信していく vLab株式会社 代表取締役 高品 良様
今回は、Founderを利用して200万円の資金調達を成功させた、vLab株式会社 代表取締役 高品 良様へインタビューを行いました。最先端技術を使用した事業計画は、掲載直後から投資家からの注目を集め複数のコンタクトを受けた後、短期間での資金調達を成功させています。高品様のファウンダーを利用した経緯や体験談、また、ご自身の事業への思いをお話頂きました。
初めに自己紹介をお願いします。
vLab株式会社 代表取締役の高品 良と申します。
大学ではプログラミングや統計など経営工学の分野を勉強し、卒業後はシステムエンジニアとして、主にインフラ開発を約二年半、コンサルティング会社で2年半程勤務していました。そして、コンサルティング会社に勤務している時にVR制作のきっかけとなる「360度のパノラマ写真撮影」に出会います。
当時、360度カメラはまだ流行していませんでしたが、4Kカメラを使用して撮影を行い、専用ソフトを使用してつなぎ合わせると360度の写真になる事が解り、様々な撮影を行っていく度に面白味が増して、のめり込んでいきました。
unicoコート様のバスケットコートのパノラマ撮影 実際の作品はこちら
ただ、あくまで360度カメラはリアルな世界です。私は、この世には存在しないバーチャルなものを作りたいという気持ちが強かった。そこで、マンションなどの未構築物件をVRで再現して内見を行うというプロジェクトを行い、ビジネスとして報酬を頂けるまでになっていきました。
機材など、設備面はどの様にしていたのでしょうか。
360度のパノラマ撮影は、カメラと画像をつなぐ専用ソフト、後はそれをツアー化するソフトが有れば、意外と簡単に制作が可能です。
対して、VR動画を制作してバーチャル空間を体験してもらうとなると、当時はハイエンドな製品と、「ゲーミングPC」と言われるスペックの高いパソコンの購入が必要でした。なので、設備投資の資金が必要でファウンダーを利用したという経緯があります。後は資本金です。起業のためにファウンダーを利用した形になります。
その後、2018年に「えんとつ町のプぺル」のVR作品を発表されていますが、どの様な経緯でスタートしたのでしょうか?
シンプルに「えんとつ町のプぺルを VR化したら楽しいのではないか。」という発想で制作を開始しました。
VRは、モデリングの技術や動的処理をさせるエンジニアの部分、ライティング、テクスチャなど様々な能力が必要となります。わたしの専門外の部分ばかりなので、誰か優秀な人と一緒に組んで制作したいと思っていました。
そこで、2017年11月に優秀な3Dアーティストと偶然出会い、お互い「日本のコンテンツが好き」という部分がマッチングして「まだVR化されていない、えんとつ町のプペルを制作しよう」という話になりました。作者の西野亮廣氏へプレゼンを行ったのは、ある程度VR制作が進んだ18年の夏です。それからは、悩んだ際は西野氏にアドバイスを頂いたりしていました。
えんとつ町のプペルのVRでは、どの様な体験が出来るのでしょうか。
えんとつ町のプぺルは「ストーリーテリングVR」です。
プぺルの空間へ入り込み、8つのシーンを移動しながら、三人称視点でストーリーを体感出来る作品になっています。
*えんとつ町のプぺルトレーラー
プぺルを知らない人でも、ストーリーを見ながら空間を楽しめる点がユーザーエクスペリエンスとしてはあります。
体験方法としては二つ考えていて、「Steam(スチーム)」というゲームプラットフォームで、VR視聴用の機材を所有している方は自宅で体験できる様にする事。もう一つはイベントなどでブースを設けて、沢山の方に体験してもらえればいいなと思っています。
Founder(ファウンダー)を利用したきっかけを教えて下さい。
先述した通り、設備投資と法人化の為に資金が必要となったので、ファウンダーを利用しました。
ファウンダーを知ったのは、シンプルにインターネット検索です。UI/UXの面でも使いやすかったですね。見え方も良かったです。
事業計画を掲載して間もなく、複数名の投資家からのメッセージを頂き、時間を空けずに実際にお会いする事になりました。インターネット上で出会った投資家と会う事は、最初は怖かったです。でも、お会いしてみると、とても優秀で若手を応援してくれる方が多く、なかにはお会いした当日に「じゃぁ、明日(資金を)振り込めばいいかな。」という投資家もいらっしゃいました。さすがに私の方から「もう少し詰めたお話を…」という形にしましたが、スピーディーな展開で話が進んでいきました。
資金調達が早いと言われているVCでも、最速でも数週間はかかります。その点、エンジェル投資家とは数回の面談で資金調達が決定したところが、驚いた点でもありました。出資して頂いた投資家とは、情報交換を行うなど、今でもコミュニケーションとらせて頂いています。
投資家との面談はどのような話をしましたか。
事業計画書を持参して、詳しく事業の説明をしました。
ファウンダーに掲載した事業計画の文章を分かりやすく図解化を行い、収益性や需要があるという話を伝えて、VR AR MRと、私の思い描くビジョンを理解してもらえる様努めました。特に、当時はVR AR MR は最先端技術でもあるので、投資家も前のめりに関心を持って聞いて頂けました。
お会いした投資家全員から「投資したい」と言って頂けた事は非常に嬉しかったです。
エンジェル投資家からの資金調達を成功させる為のアドバイスをお聞かせ下さい。
エンジェル投資家に限らず…だとは思いますが、まず相手の立場に立つ事です。
サービスの良い所を「熱量」を持って明確に投資家へ説明する事が出来れば、調達成功率はアップすると思います。後は、投資家が見るのは「人」でもあるので 、自分という人間を隠さず見せることも大切です。本気で自分の事業が面白いと思えるか、そして相手も面白いと思ってもらえるかですかね。
これから起業を志す方へのメッセージをお願いします。
やりたい事があって、本気で「熱量」を持って突き進む事が出来るのであれば、即行動に移した方がいいと思います。「やりたい」と思って、自然に行動しちゃう位の勢いがあるなら行った方がいいです。行動すると自然と人も集まります。
起業は「0 or 100」の世界です。動いてみたら何かが起こるかもしれないので、「とりあえず行動してみる」でも良いかもしれません。僕の場合は、躊躇は全く無かったです。「あー、楽しい世界に行ける。」と思って行動していました。
失敗も沢山あると思いますが、それを含めて経験した方がいいと思っています。失敗しないと始まらないですからね。起業は大変な部分もありますが、やりたいなら行動は早い方がいいと思います。
今後についてお聞かせください
まずはプベルの知名度を上げていく事。
今年(2019年)ロサンゼルスで開催される「シーグラフ」というCG系の学会から連絡を受けた経緯もあり、シーグラフでえんとつ町のプペルなどを公開したいと思ってます。
制作に関しては「日本チックなビジュアル空間」をVRで作り上げていきたいです。えんとつ町のプペルの空間も、提灯など日本らしさが表現されています。また、Webでバスっている漫画家の方とのコラボレーションの話も進めている最中です。「日本らしいエンタメ」「日本チックなコンテンツ」を、どんどん世界へ発信していきたいと思っています。
元々システムエンジニアという事もあって、VRを「作る」事が純粋に大好きで面白いです。何より、沢山の方にVR空間で遊んでもらう事。我々が作った空間で笑顔が生まれ、楽しんでもらう事が、今後成し遂げていく事への一番の答えだと思っています。
VRの今後について、私達の生活へ身近な存在となるのでしょうか。
今年(2019年)も新しいデバイス(Oculus Quest)が出て、それをきっかけにVRというものが加速するのでは…と言われています。
直近1~2年では、VRHMDの大きさは変わらず、ゲームや教育、医療などで積極的に技術が使われていくと思います。2~30年後には、機材を着用しなくてもVR空間に皆が入って楽しめる様になっているかもしれません。倫理的な問題が多々ありますが、技術的には、映画のマトリックスやアニメのSOA(ソードアート・オンライン)の様な世界が実現する可能性もあるのではないでしょうか。
最後に、Founder(ファウンダー)のユーザーに向けて、メッセージをお願い致します。
シンプルに「やりたいと思ったら行動した方がいい」と思います。
行動をすると、自然と動くんですよね。本能と言いますか…自然と道ができていくと思います。
エンジェル投資家からの資金調達のメリットは、何よりスピード感です。自分の思い描くビジョンに自信があって、人を魅了する面白さが有ると自負出来る様であれば、即ファウンダーの様なマッチングサイトを利用して、資金調達して自分の事業をスタートするべきだと思います。
まず熱量と行動。やはりその部分が大切なのではないでしょうか。